「アスラン!!泊めてくれよ〜!!終電行って帰るの面倒なんだよ!」
「・・・なんで俺が。イザークの所に行けばいいじゃないか。」
「あいつ…来るな!って…速攻で断られた!!彼女が来るらしい・・・。」
「…」
「なぁ!!いいだろう?」
「…。」
「やった!!恩にきるぜアスラン!!」

そうしてディアッカのアスラン宅お泊り決定。

「…。でも明日はゴミの日だからいつもより早くおきるぞ?」
「りょーかい!」





リリリリリリ〜!!
夢心地のディアッカに目覚まし音が届く。

「アスラン…。目覚ましなら切れよ。」
寝ぼけながらいうと、枕元に行く用意完璧のアスランが立っていた。
「アレはお隣のだ。というか早く起きろディアッカ。」

ちょうど良いと言う様にアスランはディアッカの布団をはがし無理やり起こす。
もうちょっと〜なんていうディアッカの泣き言は完全に無視だ。



「なにお隣の音が、漏れちゃうの?」
アスランノ用意した完璧な朝食を食べながらディアッカは聞いた。
食べながら喋るという行為にアスランは少しにらむがディアッカは少しも気づかない。
まだ完全にはおきていないようだ。
「いやあの目覚ましだけだな。相当な音量みたいだ。」
「はぁ〜。朝が苦手なのかねぇ。」
舌がうまく回ってない。
「みたいだな。鳴るのはゴミの日だけだし」
「あぁそうだったな。で何時にでるわけ?」
「7時15分。30分の列車にのる。」
「ふわぁ〜」
ディアッカはあくびを一つして返事とした。



「ほら!でるぞディアッカ!」
「はいはい。何でそこまで時間に正確かねぇ。もう一本後でも間に合うんだろ?」
「…ゴミの日だからだ。」
「あぁそういえば。」

ドアノブを回して家を出る。

ガチャリ

と鍵をかける。


二人が歩き出すと、隣のドアが開いた。
ディアッカがあの目覚ましの必要な人間がどんなのか見てみようと思って振り向くと、相手が先に声をかけてきた。

「おはようございます!ザラさん!」
「ヤマトさんおはようございます。」
「キラ!?」

振り向いた先にいたのはディアッカの良く知っている、キラ・ヤマトだった。
呼ばれたキラも目を丸くして思わず叫んだ。

「ディアッカ!?」
「え、つかキラの家ってココなの?」
「…というか君なんでザラさんと一緒にいるの?」

思わず同時に言い合って互いにアスランを見てしまった。

「…いや俺はよくわからないんだが…。」

今の現状が。


とりあえずゴミ捨てに…。というキラの提案でゴミ捨て場まで行ったはいいが微妙な空気で気まずい。
ゴミ捨て場に着いた三人はそのまま駅まで行くことになった。
「どういうことなわけ?」というディアッカの言によって。

「ザラさんは去年越してきたお隣なの。」
ディアッカの質問にキラが答えると、今度はアスランがキラに尋ねた。
「ヤマトさんはディアッカとは?」
「だ・・大学の先輩で、す。」
キラは思わず口ごもる。少なからず恋心を抱いているアスランに話しかけられて緊張した。
「そ、で今はフリーのプログラマーやってるから仕事回してるわけ。」
「ニコルがよく行く所か?」
「そうそう。」
アスランは楽しそうに「仕事取りにいってきます。」と会社を出て行くニコルを思い浮かべた。
行き先はヤマトさんのところだったのか…。
「ディアッカはなんでザラさんと?」
「会社の同僚。」
「じゃ、イザークのとこに入ってきたっていう?」
「そう、それそれ。」
「…イザークとも知り合いなのか…。」
意外な交友関係にアスランは驚いた。
「えっあ、は、はい。ニコル君がぼ・・じゃなくて私のゼミの後輩でニコル君つながりでイザークやディアッカと…。」
「あぁ。」
ニコル、イザーク、ディアッカとアスラン合わせて所謂金持ちの家の同世代の子供だ。
芋づる式に仲良くなる確立は高い。
「あっもう駅じゃん。ま、現状も把握できたし、キラの家も分かったことだし、また来るわ!」
「え?」
ディアッカの半ば当然のような言葉にアスランは思わず声をあげる。
「いいけど、来るときは前もって言ってね?」
「えぇ?」
キラも当然のように返すので困惑する。
「何だぁアスラン、うるさいなぁ。」
「だが!」
悪いのは自分じゃなくてふたりじゃないだろうか。
「はいはい、ほら列車来るって。行ってくるなキラ。」
「うんいってらっしゃい。…・・あっあのザラさんもっい、いってらっしゃい。」
「あっはい。いってきます。」



降りる駅の階段に近いいつもの車両に今日はディアッカと並んでたっている。
予想外出来事に朝から疲れるというような長いため息をアスランはついた。
「で、何でお前はそんな不機嫌面なわけ?」
「…いつもだ。」
「あ〜もしかして、キラのこと気になってたんだろ?」
「!」
「か〜分かりやす!まぁいいじゃん。これからはちょっとは親しくなれるんじゃない?」
「話すネタがお前たちになりそうだから嫌だ。」
「はははっ!!」
豪快に笑うディアッカにアスランは心底他人の振りがしたかった。









残暑見舞いの恋のその後というか本編っぽいアスランのパートです。
アスランも少しはきになってたんだよ〜ってはなし。
アスキラでキラ♀化とかさして意味無い感じですが。
女の子キラが書きたかったんです…。苦手な方すみません。


2006.9.11改稿