恋の小話。
徒然すぎてます。

時間軸はあってません。

01  ご飯計画
02 ご飯計画2
03 正月
04 正月2
05 親子喧嘩
06 反撃
07 お返し









































01 「ご飯計画」

「ねぇキラ。アドレス教えてくれないか?」

そういわれたのはホワイトデーのデートの後のゴミの日だ。
きょうとんとしているのが分かったのかアスランは苦笑いしながら言った。

「じゃないとご飯とか連絡取れないだろう?」
いくら隣とはいえ居ない日に作って渡しに行っても仕方ない。

「あっあぁ!そうだよね。」

そんな事実に思い当たりもしなかったキラは少し顔を赤らめながら携帯を取り出した。
赤外線でやり取りする。

保存されたことをアスランは確認すると朝からさわやかな笑顔で言った。

「じゃ、作ったら連絡する。」
「む、無理しなくていいんだからね!」

その笑顔に心拍数を上げながらキラは慌てて返した。

「俺がしたいだけだから。」

うぅわぁぁぁ〜!!!

キラはさらにレベルの上がった笑顔を直視できずに目を逸らした。

む、無駄!!無駄にかっこいい!!いや!全然無駄じゃないんだけどっ!!
心臓に悪いんだってば〜!!

キラがうだうだしているうちにアスランは駅のほうに歩き出した。
慌てて「行ってらっしゃい」とキラが手を振る。
アスランもさらに笑みを深めて「行ってきます。」と手を振り返した。



※新婚のようだとアスランの脳内ではなっているわけで…。






モドル








































02「ご飯計画2」



キラは最近携帯のマナーモードを解除していた。
その理由は簡単。

「あ、アスランだ!」

特定の相手に特定の着メロを設定しているからだ。

アスランから来たメールの内容はご飯を作るが今日は家にいるかというもの。

”一日中家に居るので大丈夫です”
キラはメールを返信しようと読み返してはたと気がついた。

「これじゃ引きこもりみたいじゃない…?」
実際そうなのだが好きな相手にそう思われるのはやはり女としてどうなのか。
キラは悩んだ。

”今日は大丈夫です。楽しみにしてます。”
「・・・・楽しみしてるって、催促してるみたい…?」

図々しくなりすぎかも!
メールを消して画面をにらむ。


結局返したのは一時間後。

”大丈夫です。”

「・・・・。」
アスランは来た素っ気ない返事にキラが忙しかったのかと思い自分のタイミングの悪さを呪った。


※キラはそっけなさに気づいていません。
  送るだけでいっぱいいっぱい。



モドル









































03 「正月」



着物は明るめのピンクの地に花が散らばっている。
羽織も同じ反物で、肩にはオフホワイトのショールをかけていた。
キラに良く似合うなぁと思いながらアスランは見ている。
「キラの着物誰が着付けしたの?」
「僕だよ。」
思いがけない言葉にアスランは驚く。
「自分できれるんだ?」
「お母さんが教えてくれたから、普段使いなら問題ないかな。」
「へぇ〜。」
感嘆のため息をつく。
「でも着る機会なんて滅多にないんだけどね。」
「そのない機会に会えるなんてラッキーだな。」
「そ、そう?」
「いつも可愛いけど、もっと可愛いから。」
アスランの満面の笑みで言われる。

なんか今日はやけにおだてられてる気がする…。
着物の効果かアスランがずっと見ている気がするのだ。
多分に自意識過剰だとはおもうのだが。

「アスラン、ちょっと見す・・ぎ・・?」
「可愛いから。」

一蹴される。
今日一日キラはアスランに「可愛い」と連呼されるのを耐えねばならなかった。



モドル







































04 「正月2」



人ごみの中アスランとキラは引いたおみくじを開く。

「僕大吉だ。」
「俺は吉だなぁ。」
「悪くはないよね?」
アスランのおみくじの中身を読みながらキラがフォローする。
「まぁ、新年からキラと意外なところで会えたし、今こうして着物姿おがめてるからな。」
「何それ。」
キラは照れ隠しに少しぶっきらぼうに言う。
「可愛いって話。」
「〜っ!」
直球に言われてキラは思い切りアスランから顔を背ける。
そのみみが赤くなっているのを見たアスランがホントに可愛いなぁと呟いた。



これくらい軽い物予定だったんです。年末も(恋9)・・・・。
しかしこれもお約束のように「可愛い」連呼しすぎですみません。




モドル








































05 「親子喧嘩」


『いつ結婚するんだ!!』
めったにかかってこない父親からの電話にウンザリする。
「貴方に関係ないでしょう。」
努めて冷静に返すが苛立ちは隠せない。

『えぇいお前じゃ埒が明かん。もうキラちゃんにわしから養女になるように頼むからな!』
「はぁ〜?寝言は寝てから言ってください。大体キラがそんなこと了承するわけないでしょう。」
『このへたれが!!』
「貴方に言われたくないですよ!なんですか貴方やけに凝った演出したのは良かったけれど
それが母上の好みと全然違ったっていうじゃないですか」
勝ち誇ったようにアスランが奥の手を出す。
『ふん、それがどうした。その気概もないお前に言われても屁でもないわ!』
「何を基準に!俺だってプロポーズは誕生日にしようと!!」




パトリックは馬鹿にしたように鼻を鳴らす。
「そんなありきたりで、キラちゃんに申し訳ないとおもわないのか!」
『だから!貴方が口を挟む問題じゃないです!!』




「結局無駄に二人ともロマンチストなのよね…。親子だわ。」
レノアは電話越しに怒鳴る夫とそれに対抗する漏れる息子の声を聞きながらお茶をすする。

平日の夜はこうやって更けていく。


正月ネタの後。
キラがアスランの恋人だとばれたあとのパトの反応。
嫁馬鹿。


モドル







































06 「反撃」


今日も順調に”可愛い”と言われ続けたキラは少し反撃してみることにした。
プロポーズされたので浮かれているのかもしれない。
けれど、それは自分だけじゃないと感じているので、案外彼も動揺してくれるかもしれない。

そう思って海から帰る車の中―・・・。

「アスラン・・」
「ん?」

運転しているのでこちらを向くことはない。

運転姿もかっこいい・・・。
横顔が好きなのかも知れない・・・。

「かっこいいね。」
「・・・なにが?」
「アスランが。」
「キ・・ラ・・・?」

あぁちょっと声が揺れてる。
おもしろくなってキラは続けた。

「運転してるところ。とか、その横顔とか。海で手を引いて歩いてくれたところとか。
でも、いっつもかっこいいから今更なのかもしれないけど。」
「・・・。」

あれ?何もいわなくなっちゃった。
もうちょっと押したほうがいいのかな?

そう思ったキラは駄目押しのひとことを放つ。

「すごく好きだなぁって・・・」

思うと言う前にキラは口を塞がれた。
車はキラが夢中で”かっこいいところ”を挙げていたときにとまっていたらしい。

キス・・ねだったわけじゃなかったんだけど・・・・。

アスランもいたたまれなかったのかなと思うと自分の作戦が成功したようで嬉しくてキスの合間に笑うと、さらに深く口付けられた。


恋13直後。



モドル







































07 「お返し」


「キスでごまかした・・・。」

からかうようにキラが言う。
それでもいつものキラからは出ないような言葉を連発で言われ続けた、俺の身にもなって欲しい。

キラは顔に良く出るから言われてるようなもんだけど。

そう感じるのと実際声に出して言われるのじゃ段違いだ。
しかもプロポーズをして了承を得たばかりの時にだ。

勘弁してくれ。

心臓が持たない。正直にそう思う。
しかしなぜ、今まで言わなかったのに・・・。
何があったのかと思ってキラを見ると、キラはあせったように首をかしげた。

「お、怒った?」

そうやって上目遣いで聞いてくるのがもう反則だと思う。
どうしてそういう風に思うのかわからないが、それすらも可愛いと思うのだから重症だ。
まぁ重々承知していたことではあるが。

何も言わないのでさらにキラが慌てる。
いちいち小動物のようで可愛い。
ここが車の中でなければあれやこれや…。

自分の衝動を抑えるようにアスランは長くため息をついて一言

「絶対俺のほうがキラのこと好きだと思う。」

ボソリと呟くと。
顔を赤らめたキラが「それ僕のセリフだから」と突っ込むのに笑った。


反撃直後。

モドル