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※かなり死にたがりなキラです。苦手な方すみません

くだらない映画のワンシーンのような生活。

怠惰で、不愉快極まりない。

眩暈がする。
吐き気がする。

すべてを放り投げたい。

それが許されるのなら今すぐにでも。

家族シネマ

「キラ。生きてるか？」

毎朝決まった時間に彼はそう言って起こしに来る。

雨の日も晴れの日も曇りの日も。
およそ天気など関係なく。

それは当然で、同じ屋根の下暮らしているのだから。

「生きてるよ。」

そういって僕も決まったように返す。

雨の日も晴れの日も曇りの日も。
およそ気分など関係なく。

それは当然で、彼がそれを望んでいるのだから。

あぁなんて退屈な日常。
あの凄惨な日々はなんだったのか。

乗りたくもないモビルスーツに乗り続け。
なれた手つきで操縦棍を握り。
いつものように狙いを定める。

そう―いつものように。
それが『日常』だったのに。

なのになぜ今こんな―…。

「朝ごはんも出来てる。はやく起きて来い。」
「うん。」

簡単にも平穏であれるのか…。

虫唾が走る。

足元を血で固めて今立っていられるというのに。
それすらもなかったかのように生きているなんて。

「キラ？」
「何？」
「ぼーっとしてたから。」
「寝起きだからね。」

それすらもなかったかのように扱うなんて。

「アスラン。」
「ん？」
「なんで僕ここにいるの？」

平和を演じて。
偽善で固めて。
すべてをきれいな物で埋め尽くす。

「おれがそう望んだからだよ。キラ。」

また一つ嘘を塗り固める。

「・・・・馬鹿じゃないか君。」
「起きたみたいだな。シンも待ってるから早く来い。」
「わかったよ。」

そういえばあの子もなぜここに居るのか。
僕を憎んで殺してくれるはずだったのに。
僕と対極にいるはずなのに。

なぜ？

彼が決心してくれれば僕はここから抜け出せるのに。
どうしていまだにそうしてくれないのかは分からない。
初めて会ったときは今すぐにでも殺してくれそうだったのに。

あの瞳だけが誠実に僕の罪を裁いてくれていたのに。

「キラ、本当に起きてるのか？」
「寝起きが悪いのはいつものことじゃないか。」
「・・・キラ。」
「なに？」

「愛してるよ。」

あぁ。

「ぼくもだよ。」

いつものように与えられる言葉が苦痛で以って体に入り込む。
それを彼はわかっていないのだ。
いわれるたびに痛む僕のすべてが与えられるものとは反対へ向かうということが。

彼はこうやって緩やかに僕を殺めていくのだろうか。
受け止め続けたら僕は放たれるのだろうか。

このぬるま湯のような家族ごっこから。

暗めのアスキラですみません！
なんとなく思いついたんで…。

2007/11/13再ＵＰ