「ねぼすけ」



僕たちは幼なじみだ。

それは、母さんのお腹のなかにいるときから、決まってた。
母親同士が、親友だったから。
でもだから僕たちは幼なじみなわけじゃなくて、僕たちが自分たちで選んだんだ。
きっかけは母さんでもね。




「キラ!」
「無理…、アスラン…。」

きらは寝起きのかすれ声でいった。
それをいつものように無視するとアスランは未だ起きないキラの蒲団を剥ぎ取る。

「学校のバスがくるだろう!早く起きろ!」
「もー、だめぇ。まだねる〜。」
「駄目じゃない!ほら、キラ。」

キラの両腕を取って、体を起こすが、まだ眠いのか目を擦りながら、馬鹿〜とぼやいている。
それでも一応起きたのを見届けるとアスランは下に下りていった。
いくら幼馴染でも着替え中に部屋にいることは憚られた。
というかアスランが無理だった。




「うわぁぁ!!」

キラが階段をドタドタと駆け降りる。

「おはよう、キラ」

アスランは先に朝ごはんを食べていて、降りて来たキラにそれは綺麗な笑顔で挨拶をする。

「おはようじゃないよアスラン!何、優雅にご飯たべてるの!時間ないじゃないか!」
「俺は起こしたぞ。キラが起きないのが悪い。」
「…っ!ばかー!!」

キラはおもいっきり罵倒する。
さすがのアスランも八つ当たりとは分かっていてもムッとして眉をひそめた。

「そんなこと言う暇あるなら早く食べろよ」

自然、声が低くなる。

「もういいよ!!食べないで行くから!優等生のアスランが遅刻したら大事だからね!」
「なっ!」

なんだそれは!とアスランは続けようとしたが、キラは素早く玄関に向かってしまった。
慌ててアスランも立ち上がる。

「ごちそうさまでした、カリダさん。ありがとうございます!」
「お粗末さま。ごめんなさいね〜アスラン君。これ、キラの朝ごはんと二人のお弁当。」
さすが、親だけあって用意周到だ。
「ありがとうございます。行ってきます。」
行ってらっしゃい〜。と言うカリダの声を聞きながら、アスランは足早にキラを追った。



「キラ!」

バス停にいるキラにアスランは呼びかけ、横にならぶ。

「キラ。」
「…。」
「キ〜ラ。」
「…。」

呼びかけても、返事が無いうえに、こちらを見もしない。俯いてじっと足元ばかり見ている。
埒があかない…。

「返事くらいしろよ、キラ。起こしたのに、怒られるのは、割に合わないんだけど。」
「…じゃ起こしにこなきやいいよ。」
キラは吐き捨てるようにつぶやく。
すねている証拠だ。

またか…。

「…何回めだ。とか思ってるでしょ。」
キラは顔を少し上げてアスランを軽くにらんでいた。

キラは妙なところで鋭い。

「思ってる。月に半分はしてないか?」
「そんなに寝坊してないよ!」
「どうだか。」

アスランは鼻で笑うように言う。
キラはムッとしてまたうつむいた。
バスが近づく音がする。

「あきれてるんでしょ。」

バスに乗っても沈黙していたキラがぼそりとつぶやいた。
いつものパターンなのでアスランは笑いを含みながら答える。

「慣れてるから良いよ。」
「…なれないでよそんなのに…。」

あきれたんでしょと言うキラのほうがアスランの言葉にあきれた。

「とりあえず学校に着いたら髪を梳いてやるから。…はねてるぞ」
「っ!!」

キラは思わず頭に手をやる。

「その間カリダさんが作った朝ご飯でも食べとけ。」
「…。お世話かけます。」

至れり尽くせりでキラは恐縮するばかりだ。

「明日は・・・・がんばるから。」
「…期待してるよ」

アスランが答えるのに間があったがキラは気づかなかった。





こんな感じの設定のアスキラ♀をどこかからお題借りたり、思いついたの書いていきたいと思います。
↑のつもりだったみたいです。いつになるやら。
あ、一応好き同士の話のつもりです…。
いつくっつくのやら。

2007.2.20  SSSより移行  改稿