本編よりのキラ白服、アスランオーブ、シンはキラの補佐設定・・・・でなくてもいいような内容です。




「アスランに会いたい・・・。」
キラが呟く。

書類で埋もれた机でキラの顔は見えないがシンはその声音だけで仕事を放り投げたいほど
退屈しているのが手に取るように分かる。

「そうはいっても先週来たじゃないですか。」
「もう先週のことなんだよ!?」

3年会ってなかった時期もあるというのに・・・。
シンはそういいたいのを堪える。

「なんだかんだいって月に一回は来てますよアスラン。」
「当然だよね。でも僕が会いたいときにいないんだよね。」
ヘタレ。と呟くのが聞こえた。

あの多忙なアスランが毎月なんとか調整して会いに来ることを”当然”と言い放つキラにシンはあきれた。

「何様ですか・・・・。」
「え?皆”キラさま”って呼んでるからそうなんじゃないの?」
「・・・・。」

思わず絶句した。
あきれて物が言えないとはこのことだ。

「会いたいなぁ・・・。」
キラは相変わらずダラダラとしまいには机に突っ伏しながら種類にサインをしていく。

「書類よごさないでくださいよ。」

公の書類を汚したらまた一から製作のしなおしだ。
そしてそれをするのは自分だ。
絶対にそれだけは阻止しなければならない。

「シンは冷たいよね・・・。僕がこんなにアスランに会いたいって言ってるのに対策とか全然ないし。補佐としてどうなのさ」
「仕事の補佐であってプライベートの補佐ではないのでしったこっちゃありません。」
「・・・そんなに仕事したいの?」
「遠慮します!!」
「じゃぁ何か考えてよ。」
「はぁ・・・・。」

会いに来るのが”当然”と言っていてもキラは何か無いとアスランを呼ばない。
ここ最近のことで言えば7月は七夕だとか8月はイザークの誕生日だとか9月はお月見だとか…。
宇宙でも関係がないのがジュール隊長の誕生日だけで、星も月も宇宙にあるコロニーからは絶対に見えないが、
それでもそれなりに会う口実となるのようだ。

「10月ならハロウィンとかもありますけど…。」
さすがに今月はもうない。
というか
「ビジフォンでよくないですか?」
とりあえずのしのぎにはならないのだろうか。
「会いたいのに?会って抱き締めあって・・・・それ以上とか。」
「はぁ。」
そんな二人の情事など聞きたくない―色々と知っても恐ろしくなるだけなので―。

「じゃキラさんが会いに行けばいいじゃないですか。行き来して月に2回は会えますよ。」
「っそれじゃ僕がアスランにすっごく会いたいみたいじゃないか!!」
「はぁっ!?」

今会いたいっていう話じゃないのか!?

「すみませんよく・・・。」
理解ができない。

「だからさぁ。会いたいけど、僕から行くなんてできないに決まってるじゃん。アスランがどんだけ調子に乗ると思ってんの。
最悪だよ、調子に乗ったアスラン。」
キラは何をされたのか思い出したのか身震いをした。

・・・あぁアレか結局惚気か?
というか最近流行ってたツンデレとかいうやつか?
それで一体どういう提案をしろと?

シンは気が遠くなるのを感じた。

「ちょっとシン、聞いてるの!?」

聞いてるというか聞きたくないです!!
そんなことは言えるはずも無くただ聞き流していると内線が入った。
何か言われる前に是幸いと内線を取る。

「はい。」
『ヤマト隊長にオーブのザラ事務次官から通信が入っています。』

なんていいタイミングなんだ!!
常日頃運がいいとは言いがたいシンだがこのときばかりはあまり信じてもいない神に感謝した。

「つないでください。」

そういうとシンはキラのほうに向き直とさわやかに言った。
「失礼します!」
キラが通信を取る前にシンはさっさと出て行く。
砂を吐くような会話になるのは目に見えているし、その場にいたら後にアスランに何されるか分からない。



「あ、ちょっとシン!」
さっさと逃げるシンに呼びかけるが逃げるが勝ちといわんばかりに出て行ってしまった。

『キラ・・・?』
「あ、アスラン」

つないだはいいが、キラが出てこないのを不審におもったのかアスランが呼びかけてきた。
それに慌ててキラが通信画面の前に立つ。

『画面越しでも会いたかった。』
「僕も・・・。」

微笑みかけるアスランにキラは少し頬を染めながら呟いた。



アスキラが少なくてすみません…。
いや、でもいつもどおり甘い会話が続くんだと思います。(どんなのだ)