「すれ違う思い」




「何を勘違いしてるんだ?」
「アスラン?」
聞いたこともないアスランの冷ややかな声にキラは驚き目を瞠る。
今まで何度も拒絶したけれどこんな声音で責められたことはなかった。
少し戸惑う。

「周りがナチュラルだからさも自分が守れる力が前よりあると思ってないか?」
なっ!
「そんなことっ」
思ってない!!と言おうとしたがそれはアスランの言にさえぎられた。
「キラは前となにも変わってない。甘えったがりで、守られる存在なんだ。」
「なっなにいってっ…!」
アスランのその言葉にキラは愕然とした。
今までそういう風に見られていたとは思わなくて少し歯がゆい。

確かに三年前自分は彼に甘えて生きていた。
それでも二人の関係は対等だと思っていた。

それなのにアスランにとって僕は庇護者でしかなかったんだっ・・・!

「だから素直に守られてろよ」
「同じ男に守れるなんて嫌だ!!」
キラは叫んだ。
対等でありたいのに、そうありたかったのに。
相手にはそう思われていないことが悔しかった。

「はっ。そこら辺の女よりも可愛い顔して。そんなこと言うんだ?」
「アスラン!!」

あまりの言葉にキラは悲鳴のように叫ぶ。
そして聞いたことのない声音で話すアスランにキラは悔しくて唇を噛んだ。
昔とは違いすぎるアスランに距離を感じて泣きそうになるのをこらえたかった。

こんなことしてる場合じゃないのに…。
僕は艦を守らなくちゃいけないのに!

反論したくても今は泣かないようにするので精一杯で沈黙がさらに涙を誘う。
「だから!!キラっ!!こっちに来て!!俺の手を取れ…っ!!」
「アス・・ラン…?」

先ほどとは打って変わって必死なアスランにキラは戸惑った。

「キラ!お願いだから!!」
「でも…僕にはっ」

友達がいるから!とキラが続けようとしたときアスランとの間にデュエルが割り込んできた。

「なっ!!まっ!」

突然の割り込みにキラは抵抗するのが精一杯でアスランとの会話は途切れてしまった。
キラはデュエルの相手で手一杯になる。

「アスランっ!!」
キラは必死に叫ぶが届かない。
そうこうしているうちにお互いの艦から帰艦命令の照明弾があがる。


『キラ君…大丈夫?』
帰還誘導中にAAのマリューから通信が入る。
「…大丈夫です。デュエルもなんとか退けられましたし。」
『そうね…。お疲れ様、ゆっくり休んで』
「…はい」
ねぎらいの言葉にうなずくとストライクが固定されたのを確認してコックピットから出た。
部屋に戻る足取りも重い。


「アスラン…。」
部屋に戻るとキラは力なくベッドに倒れこみ、布団に突っ伏したままアスランの名前をつぶやいた。


「だから素直に守られてろよ」
「はっ。そこら辺の女よりも可愛い顔して。そんなこと言うんだ?」


先ほどのアスランの声と言葉を思い出すだけで涙が出そうになる。
どうしてこんな風になったのか…。
それともそうであったのにキラが気づかなかっただけなのだろうか。
「もう…どうしたらいいの・・・・?元には戻れないの?」
つかれて、意識を保っているのがつらくなってきた。
うつろになっていく意識の中でキラは桜の中で分かれた二人を思い出す。
幸せだったあのころ、分かれてもまた会えると、この関係は変わることはないと、根拠もなく思っていた。
「あのころに…」
戻りたいと声にする前にキラは意識を手放した。











無理やり終わらせたかんが漂いますが、もともとセリフしか作ってなかったのに描写入れるとこうなって変な感じになるから困った。
しかし、どこまでもキラ目線でびっくり、でも、キラ目線多いかもしれない。
そしてどこまでも「キラ!」「アスラン!」しか言ってない…。
アスキラの醍醐味ですよね(死)

とか言っていたようで。
しかし、どこにでもある感じですみません。
似ててもけっしてパクリじゃないです。

20072007・4・12  SSSより移動・改稿